疲れ目の目薬は市販と処方どっちがいいの?
あなたは普段から目薬を使っていますか?
「目が疲れたなぁ〜」と思ったとき、手軽に使えるのが市販の目薬ですよね。病院に行くよりも手軽に購入でき、安いものだと数百円で買うことができます。ただ目薬もかなり多くの種類があり、値段もピンキリなので私なんかはいつも迷ってしまいます。
ここで疑問なのですが、市販されている目薬と病院で処方される目薬に何か違いはあるのでしょうか?今回は疲れ目の場合に病院で処方される目薬と、市販の目薬の違いについてご紹介させていただきます。
目次
疲れ目ってなに?
眼科では目の疲れは次の2種類に分けられます。
眼疲労
よくある目の疲れのことで、休息をとったりすることで自然と解消されるものです。 症状としては目の痛みやかすみ目、目の周りの痙攣などがあります。
眼精疲労
眼疲労よりも症状が重くなったもので、目の痛みやかすみ目などの他にも、ドライアイ、頭痛や肩こりなどの障害が起きてしまう症状のことを言います。
眼疲労はゆっくり休んだり、しっかり睡眠をとることで解消されますが、眼精疲労は少し良くなったかな、と思ってもすぐにまた症状が出たりしてなかなか回復しません。目が疲れたなぁ、と感じたら一度しっかり休んで目の疲れをとりましょう。
疲れ目をそのままにしておくと、眼精疲労へと症状が進んでしまいます。目の疲れは、その都度取り除くことが大切ですね。
疲れ目のときに病院で処方される目薬とは
疲れ目の場合、眼科に行くと一般的にはこのような点眼薬を処方してもらえます。
サンコパ点眼薬
目の疲れで処方される最も代表的なものであり、主成分が「シアノコバラミン」というビタミンB12の一種で、目のピントを合わせるときに使う筋肉の働きをサポートするものです。
このサンコパ点眼薬にはソフティア、コバラム、ビタコバール、ファルコバなどのジェネリックもあります。どれも主成分はシアノコバラミンで全てに0.02%配合、疲れ目の場合最も多く処方されるのがこの点眼薬になります。
ミオピン
主成分はピント調整に効果のあるネオスチグミンメチル硫酸塩、人工涙液の塩化ナトリウムと塩化カルシウムなどで、ピント調整とドライアイのサポートをする働きがあります。
ヒアレイン
保湿効果の高いヒアルロン酸が配合されているので、ドライアイや目の傷の修復などにも処方されます。
ムコスタ
主にドライアイのために処方されます。レバミピドが主成分で涙の成分であるムチンが配合されています。
目の疲れで病院へ行ったときに処方される主な点眼薬をご紹介しましたが、それでは市販の目薬とどう違うのでしょうか?
処方される目薬と市販の目薬との違いとは
病院で処方される目薬の成分と同じ成分が配合された市販の目薬とを比較してみました。最も代表的な「サンコパ点眼薬」には0.02%の「シアノコバラミン」が配合されています。
有効成分はこの シアノコバラミンのみです。このシアノコバラミンが配合された市販の目薬があるのかというと・・・。
あります!
例えば参天製薬の「サンテビオ」です。シアノコバラミンが0.02%配合の他、視力回復に効果のあるタウリンや目の疲れを解消するピリドキシン塩酸塩、血管を収縮させて鼻の通りを良くするナファゾリン塩酸塩なども配合されています。
もうひとつ同じ参天製薬から「ソフトサンティアひとみストレッチ」も発売されています。シアノコバラミンが0.02%、他にもピント調整に効果のあるネオスチグミンメチル硫酸塩や目の疲れを緩和させるピリドキシン塩酸塩なども配合されています。
病院で処方される「サンコパ点眼薬」には有効成分は1種類のみの配合ですが、市販の目薬には他にも有効成分が配合されていますね。では次にドライアイで処方されるヒアレインについてみてみましょう。
ヒアレインとはヒアルロン酸のことで、化粧品などにもよく使われている保湿効果の高い成分です。病院で処方されるヒアレインには有効成分は「精製ヒアルロン酸ナトリウム」のみです。
ヒアルロン酸が配合された市販品だとロート製薬の「ドライエイドEX」や同じロート製薬の「養潤水α」などがありますが、市販の目薬にはヒアルロン酸は添加物として配合されています。
市販の目薬の主成分としてヒアルロン酸は使えない決まりがあるそうで、ヒアルロン酸の濃度は病院で処方されたものの方が高いです。そのため他の有効成分であるコンドロイチン硫酸エステルナトリウムやタウリンなどを配合しています。
処方される目薬は有効成分が1つのものが多いようですが、市販の目薬は他にもいろいろな有効成分を配合して作られています。では処方された目薬と市販の目薬、どちらが良いのでしょうか?
処方される目薬と市販の目薬、結局のところどっちがいい?
ピンポイントで症状を改善してくれる目薬を処方してもらうか、いろいろな有効成分が入った市販の目薬を使うか、さてどちらがいいのでしょう?
病院で処方されるムコスタなどは、まだ新しい目薬のため市販されておらず、ヒアルロン酸も市販の目薬には添加物程度しか配合されていません。その意味では病院で処方された目薬の方がよさそうですね。
そして防腐剤も病院で処方される目薬の量と比べると、市販の目薬にはその数倍になるものもあるようです。防腐剤は目薬を長持ちさせるには必要ですが、ドライアイにとっては症状を悪化させることもある添加物です。
また単なる疲れ目だと思っていたら、思わぬ目の病気だった、というケースも少なくありません。例えば結膜炎、白内障、緑内障などです。
たかが目の疲れ、と考えがちですがなかなか症状が良くならない場合は、一度眼科で診てもらうことをおすすめします!では市販の目薬はダメなのか?というとそんなこともありません。まず手軽に手に入れことができるのは大きなメリットですよね♪
わざわざ眼科へ行く必要がないので、ドラッグストアや一部のコンビニなどでも購入できる手軽さが魅力です。また市販の目薬にはいろいろな有効成分が入っているので、多角的なアプローチも期待できます。
1本で疲れ目や目の渇きなどを同時にケアできるのも、市販の目薬の良いところです。それに薬剤師がいるドラッグストアでは症状などを相談することもできます。
市販VS処方の戦い、私の軍配は・・
軽い目の疲れやスキッとしたいときは、市販の目薬の勝利です。いつまでも改善されない目の疲れや、ドライアイの症状が重いときには病院へ、ということで処方の勝利となりました。
あなたの軍配はどちらに上がりましたか?
まとめ
目が疲れてドラッグストアの目薬コーナーへ行き、あれこれ見ているうちにさらに目が疲れてしまうということもあります(笑)ついつい手軽な市販の目薬に頼ってしまいがちですが、症状が良くならない場合は眼科で診てもらうようにしましょう!