アニサキス症の症状や治療法は?加熱で予防できる?
昔から魚を生で食べる習慣がある日本人が悩まされているのがアニサキス症と呼ばれる食中毒です。アニサキスは魚介類に寄生している寄生虫の一種で、体内に入ることで激しい腹痛や吐き気を生じます。
今回は、アニサキスとは何なのか、そしてアニサキスによって引き起こされる食中毒の予防法をご紹介します。
アニサキスとは?
アニサキスは、魚介類の内臓などに多く生息している寄生虫です。
主にクジラやイルカなどの腎臓や胃に生息していますが、幼虫はサバやイワシ、カツオ、イカ、サンマ、サケ、アジなど、普段私たちがスーパーや飲食店でよく目にする魚介類の肉の中にも寄生しています。
アニサキス症と呼ばれる食中毒を引き起こすのはアニサキスの幼虫で、その大きさは長さ2~3cm、幅0.5~1mmで糸くずのような形をしており、肉眼でも見ることができます。
アニサキス症とは?
アニサキス症は比較的寒い時期に多い食中毒で、年間で約7000人がアニサキス症と診断されています。アニサキスが体内に入り込んでアニサキス症を発症すると、突然吐き気・嘔吐や激しい腹痛といった症状が現れます。
アニサキス症には、胃にアニサキスが潜り込むことで発症する胃アニサキス症と、腸にアニサキスが潜り込む腸アニサキス症の主に二種類あり、胃アニサキス症の場合は魚などを食べてから3~4時間で症状が出ますが、腸アニサキス症の場合は半日~1週間くらい経ってから腹痛の症状が出ることがあります。
まれに、蕁麻疹のような発疹やかゆみを伴って発症する人もおり、これはアニサキスに対するアレルギー反応と考えられます。アニサキスアレルギーが酷いと、命にかかわることもあるので注意しましょう。
アニサキス症の治療法は?
アニサキス症かも?と思ったらすぐに病院へ行くようにしましょう。症状を放置しておくと重症化する恐れがあります。アニサキス症の疑いがある場合は、一般内科か消化器内科を受診してください。
胃アニサキス症の場合は、内視鏡を使って取り除けばすぐに痛みは消えて良くなりますが、腸アニサキス症であればX線や超音波検査で小腸を調べてアニサキスを見つける必要があります。
なお、アニサキスは人間の体内に入ると1週間程度で死んでしまうので、もしアニサキスを取り除けなくても対症療法のみで治すこともできます。
アニサキスの予防法は?加熱すればいい?
では、アニサキス症に感染しないためにはどのような対策をしたらよいのでしょうか。食中毒を予防するためには、よく加熱をすることが効果的だと一般的に言われますが、アニサキス症においても同じことが言えます。
アニサキスは70度で加熱することで瞬時に、60度では1分程度で死滅すると言われており、魚を加熱することで食中毒の予防ができます。逆にアニサキスは低温にも弱く、-20度で24時間冷凍することでも死滅します。
家庭にある冷凍庫であれば48時間以上は冷凍する必要があります。その他にも、スーパーなどで魚を購入するときにはなるべく新鮮な魚を選んで、内臓は取り除いて食べることも大事です。
どうしても内臓を食べたい場合は、しっかりと加熱し、生の内臓は絶対に食べないようにしましょう。そして、アニサキスは目で見て確認することができますので、目視確認をすることも大切です。
まとめ
今回は、アニサキス症の症状や予防法についてご紹介しました。アニサキスは私たちが普段食べている魚に寄生しており、日頃から注意が必要です。
魚を食べる時にはしっかり加熱をする、もしくは内臓は素早く取り除いて生で食べないようにする等、しっかりと予防して食中毒にかからないように気をつけましょう。