風邪と肺炎の違いと見分け方!チェックするべきポイントは?
「肺炎」というものについて、どんなイメージを持っていますか?症状が風邪とよく似ているので。風邪だと勘違いしてしまうこともよくありますが、肺炎は厚生労働省の調べによると、2014年から2016年にかけての死因第3位という恐ろしい病気です!
風邪と肺炎はどう違うのか、どうやって見分けるのかを詳しくご紹介させていただきますので、正しい知識を覚えておいてください。
目次
肺炎とはどんな病気?
肺炎とは、肺に細菌やウイルスといった病原体が入り込んで、炎症を起こしてしまう感染症です。入り込む病原体によってこんな種類があります。
ウイルス性肺炎
インフルエンザ、アデノ、RS、麻疹、水痘などといったウイルスそのものが炎症を起こさせる肺炎です。最も多いのがインフルエンザで、体外から感染します。症状は咳、鼻水、発熱、発汗、筋肉痛、頭痛、倦怠感などで風邪の症状と良く似ていますね。
細菌性肺炎
インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌などが原因で起こる肺炎です。おや?と思った方も多いと思いますが、インフルエンザには菌とウイルスの2種類あります。
その違いは細菌には抗生物質が効果を発揮するのに対し、ウイルスには効果がありません。そして肺炎球菌は肺炎の最も多い原因で、その割合は全体のおよそ3割にもなります。
症状は咳やタンが長引く、38度以上の発熱、黄色や緑色のタンが出る、全身倦怠感、食欲不振などです。
またこの種類に含まれるのが誤嚥性肺炎で、飲み込む力が弱くなった高齢者などが、誤って食べたものを器官に入れてしまい、食べ物に含まれていた細菌が入り込んで発症します。
非定型肺炎
マイコプラズマ、クラミジア、レジオネラなどの微生物が原因で、最も多いのがマイコプラズマです。症状は乾いた咳が続き、38度以上の発熱を伴います。
過敏性肺炎
上記の肺炎は病原体の感染が原因のものでしたが、過敏性肺炎は病原体によるものではありません。カビや粉塵、鳥の糞などのアレルギー物質を繰り返し吸うことで、肺に炎症が起こり発症します。
症状は咳やタン、呼吸困難、それに胸痛などがあり、アレルギーとなる抗原を取り除くことで数日で治る肺炎です。
肺炎にはいろいろな原因があるんですね。日頃から手洗いやうがいをすることが大切なんだと実感しました!
感染する環境にによる肺炎の種類について
また肺炎は感染した環境によっても分けられています。
院内肺炎
入院中に起こる肺炎で、入院後48時間以上経ってから発症したものと、退院後48時間以内に発症した肺炎のことです。人工呼吸器をつけていたり、抵抗力が低下している高齢者に多くみられます。
市中肺炎
病院以外の日常生活を送っている人が発症する肺炎で、抵抗力が低下している人の他にも健常者でも発症します。
ひとくちに肺炎と言っても、いろいろな種類があるんですね。高齢者や子どもがかかる病気のイメージがありますが、抵抗力や免疫力が低下していると、誰でも発症するのが肺炎です。
また糖尿病や腎不全、心不全の持病を持っている方は、感染症に弱くなっているので特に注意が必要になります。そしてステロイド薬も免疫力を下げるので肺炎には気をつけて下さい。
肺炎と風邪との違い
風邪の原因のおよそ8割〜9割はウイルスによるもので、主に鼻やのどにウイルスがつくことで炎症を起こします。
そして鼻や口は気管支へ、さらに肺へとつながっていますが、炎症が気管支へ広がると気管支炎に、さらに肺へと広がると肺炎になってしまいます。そのため最初は風邪でも、炎症が広がってしまうと肺炎になってしまうんですね。
器官の弱い人は特に注意が必要です。風邪は鼻やのど、気管支に起こる感染症で、肺炎はその名の通り肺に起こる炎症です。
健康な人でも風邪やインフルエンザで喉に炎症が起きてしまうと、そこから細菌やウイルスなどに感染して肺炎を起こしてしまうこともあります。
体の免疫力が弱っていると病原体を排出することができなくなり、肺炎にかかりやすい状態になってしまうので、早めに免疫力を回復させましょう。
肺炎と風邪の見分け方とは
では風邪と肺炎はどのようにして見分けるのでしょうか?
- 風邪
症状が一週間くらいで収まる
症状は鼻水、くしゃみ、せき、喉の痛み、38度以下の発熱、タンなど - 肺炎
38度以上の高熱や激しい咳が一週間以上続く
全身の倦怠感
胸の痛みや呼吸困難になる
息が浅くなり、呼吸が速くなる
食欲不振
タンの色が黄緑やサビ色だったりする
特に大きな違いは咳で、肺炎の場合は夜眠れないような激しい咳が出ます。また片方の肺が痛いと感じたり、変な汗をかくようになったりすると肺炎の可能性が高いです。そしてわかりやすいのがタンの色で、黄緑色やサビ色のタンが出ると肺炎を疑ってもいいでしょう。
肺炎は重篤化すると呼吸困難や意識障害も起こします。一週間経っても風邪が治らない、または症状が悪化した場合は、単なる風邪ではなく肺炎かもしれません。
次の項目をチェックしてみてください。
- 急に悪寒がして震えだしたことがある
- 頭痛がする
- 苦しい咳が続いている
- 38度以上の熱が5日以上続いている
- 胸に痛みがある
- 血が混ざったり色がついたタンが出る
- 息苦しく呼吸困難になることがある
- 唇が紫色になっている
半分以上当てはまったら肺炎の可能性が高いといえます。ですが肺炎の種類によっても症状が違うので、当てはまらないからといって安心せずに、風邪が長引いていたら肺炎を疑ってみてください。
まとめ
いつもの風邪と症状が違う、症状が長引いている、高熱が下がらない、咳が止まらない、タンに色がついているといったときには肺炎を疑ってみましょう。
肺炎は感染症なので種類にもよりますが、咳やクシャミなどから他の人へと感染してしまうものもあります。他の人にうつさないためにも、早めに病院で検査を受けるようにしてください。
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