洗濯による色移りや色落ちを防ぐ方法
気に入って買った洋服を洗濯してから着ようといつものように洗濯したら、一緒に洗った他の服に色移りしてしまった。そんな経験が一度や二度はあるのではないでしょうか。
一度色移りしてしまうと元に戻すのはとても難しく、あきらめざるを得ないこともあります。そんな事態を防ぐ為に、色移りや色落ちを防ぐ方法をご紹介します。
目次
色移りや色落ちの原因
色移りや色落ちにはいくつかの原因があり、その原因によって対策方法が変わってきます。主な原因はこの5つです。
- 洗濯中に色移りしてしまう
- 脱水時に服が重なった部分が色移りしてしまう
- 洗濯機から洗濯物を取り出さなかった為に色移りしてしまう
- 乾燥時に色がにじみ出て色移りしてしまう
- 洗濯回数が少なく洗う前から湿っていた
それぞれ原因と対策が異なりますので、それぞれにあった方法をご紹介します。
洗濯中に色移りしてしまう
洗濯中に色移りしてしまうのは、ある特定の服から洗濯機内の水に色がにじみ出てしまい、その水で洗うことによって他の服に色が移ってしまうというものです。
これを防ぐ為には色柄物と白物と服を分けて洗濯をするのが一番確実な方法ですが、正直面倒ですよね。その面倒を避ける為に、初めて洗う服には色落ちテストをすることをお勧めします。
色落ちテスト
- 白いタオルを人差し指に巻き付け、その先に洗濯洗剤を付ける
- 洗濯洗剤を付けたところで服の目立たないところを軽くたたく
- タオルに色が付いたら、通常の洗濯では色落ちしてしまうということ
もし、色落ちテストで色落ちが出てしまった場合はクリーニング店に持ち込むのが確実ですが、自宅で洗う場合は中性洗剤を使って単品洗いをしましょう。
脱水時に服が重なった部分が色移りしてしまう
脱水時の色移りは、遠心力で服の染料が動いてしまい服の重なった部分に色が移ってしまう為に起こります。マダラに色移りするのが特徴です。
また、全自動の洗濯機では洗浄から脱水までを流れで行う為、洗濯中と脱水時の色移りを併発することもあります。この場合の予防方法は、洗濯ネットに入れることです。
もし脱水時に色が出てしまってもネットに色が出る為、服に色移りするのを最小限に抑えることができます。
洗濯機から洗濯物を取り出さなかったために色移りしてしまう
この場合は、洗濯が終わったにもかかわらず長時間洗濯物を濡れたまま放置した為に色がにじみ出てしまったというものです。洗濯中、脱水時、洗濯機を取り出さなかったための色移りを併発する可能性もあります。
洗濯は濡れたまま長時間放置すると、色落ちの他にも夏場などは菌が繁殖し臭いの原因にもなります。洗い終わった洗濯物はなるべく早く干すか、乾燥をかけるようにしましょう。
乾燥時に色がにじみ出て色移りしてしまう
こちらは厚めで乾きにくいトレーナーやブルゾンなどがゆっくり乾く時によく発生します。ボーダーやマダラにプリントされたもの、ワッペンなどの付属品から色がにじみ出てしまう場合もあります。
この場合は、いつもより脱水時間を長くするのがお勧めです。しかし、他の服と一緒に長時間脱水をすると色移りする可能性がある為、単品で脱水をするのがお勧めです。
また、平干しして染料が服の下へ流れていくのを防ぐことで予防することもできます。洗濯表示を確認し乾燥機を使うのもお勧めです。とにかく濡れている時間をできるだけ短くすることが必要です。
洗濯回数が少なく洗う前から湿っていた
特に夏場などの汗をかきやすい時期に起こりやすい色落ちです。新品の服を洗わずに着た場合に、汗で服が濡れて体温で染料が暖められ色落ちしやすくなったものを洗濯してしまった時に起こりやすくなります。
この場合は、服が乾いてから洗うか単品洗いをするのがお勧めです。
- 色落ちしやすい条件
洗濯をする上で色落ちしやすい条件もいくつかあります。これはすべてに当てはまるものです。
水温
洗濯をする際の水の温度が高ければ高いほど色が落ちやすくなります。お風呂の残り湯を使う場合などは特に注意が必要です。
ただし、汚れ自体は水温が高いほうが落ちやすい為、色落ちを気にして水温を低くするとその分汚れ落ちは悪くなってしまいます。
洗剤
染料はアルカリ性で流れ出やすくなる為、中性洗剤を使うと色落ちししづらくなります。しかし、汚れは酸性のものが多い為、中性洗剤を使うと汚れは落ちにくくなってしまいます。
水量
水の量が少ないと染料が水に流れ出した際の濃度が濃くなってしまう為、色移りが起こりやすくなります。最近の洗濯機は節水タイプなどで水量を少なくする設定のものもある為、注意が必要です。
時間
洗濯にかかる時間が長くなればなるほど服がぬれている時間が長くなる為、色が出やすくなってしまいます。また、洗濯機の回転が激しいほど遠心力がかかる為色が動きやすく色落ちしやすくなってしまいます。
服の量
洗濯物の入れすぎは、水流が動きにくく服同士が絡みやすくなる為色移りしやすくなります。
いくつか条件をあげましたが、基本的に「色落ちを抑える=汚れ落ちが悪くなる」ということにつながってしまいます。
ですから、洗濯をする前にあらかじめ色落ちテストをして色落ちしてしまったものは単品洗いをするというのが一番確実な方法であるといえます。
色落ちしやすいものの見分け方
とにかく洗濯をする前に色落ちテストをして洗い分けをするのが一番確実な方法ですが、服を買うたびに色落ちテストをするのは正直面倒ですよね。しかし、服の素材や使っている染料などで色落ちのしやすさがありますので、ご紹介しましょう。
染料
基本的に淡い色の服よりも濃い色の服のほうが色落ちがしやすくなります。また、青系と赤系の染料を使った服は他の染料に比べて色が落ちやすいといわれています。
トレーナーなどのプリントやワッペン、刺繍糸やビーズなども色落ちの可能性があります。
素材
ポリエステル、ナイロン、アクリルは比較的色移りがしにくい素材です。つまり、この3つ以外の素材は注意が必要ということになります。綿、麻、シルクです。
綿は加工や洗濯がしやすい為多くの服に使われている素材ですので、服を購入した際には真っ先にタグを確認するのがいいでしょう。また、綿とポリエステルの混合素材の場合も綿の含有量が多い場合は注意が必要です。
上記のことを考えると、一番身近で色落ちしやすいのはウォッシュ加工がされていないデニム素材ではないでしょうか。これは、購入後の洗濯は確実に単品洗いをするのがお勧めです。
もし色移りしてしまったら
もしすでに色移りしてしまったら。できるのであれば自分でなんとかしたいですよね。白物の服と色柄物の服では対処法が若干違います。
白物の服
単品で再度洗濯をすると色が落ちる場合があります。中性洗剤に漂白剤をプラスすることでさらに色落ちが期待できます。
色柄物の服
白物の服と同様、単品で洗うのが効果的ですが手洗いがお勧めです。生地を傷めない程度にしっかりと洗いましょう。もし上記の方法でも思ったように色が落ちなかったら。あきらめてクリーニング店に持ち込むのが賢明です。
色が落ちないからと自分であれこれやりすぎて全体の色を薄くしてしまったり、余計に色落ちやにじみを広げてしまっては元も子もありません。潔くあきらめることも大切です。
まとめ
色移りや色落ちの原因と対策、色移りした際の対処をご紹介しましたが、新しく購入した服はとにかくまず素材を確認し「色落ちしやすいものの見分け方」に当てはまるものは色落ちテストをしましょう。
色落ちテストで色落ちしたものは単品洗いをすれば他の服に色移りする心配はありません。少しの手間をかけることでその後の面倒事を避けることになりますし、お気に入りの服をより長く楽しむことができます。ぜひお試しください。