化粧品に含まれる危険な添加物
ナチュラル志向が高まり、食べ物だけでなく化粧品でもオーガニックや無添加といったものを普通に見かけるようになりました。しかし、添加物の何が悪いのかということをきちんと理解している人は少ないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、化粧品に含まれる危険な添加物についてまとめました。化粧品選びに迷っている人はぜひ、参考にしてください。
目次
無添加化粧品に添加されているもの
昭和40年頃、化粧品が原因の健康被害が多く発生し、アレルギーや発がん性などの危険性がある102種類の添加物を「表示指定成分(現:旧表示指定成分)」として国が定めました。
しかし、化粧品の品質を安定させるために、添加物はなくてはならないものであるというのも事実です。
現在、無添加化粧品とされているものは、旧表示指定成分が無添加という意味で、実際にはなんらかの添加物が配合されているものがほとんどです。指定成分以外の添加物は約2000種類もあり、その毒性や肌への刺激もさまざまです。
2001年から化粧品には全成分内容を表記する義務があり、どんな添加物が配合されているのが確認できるようになりました。
肌への刺激や健康への悪影響があるとされる代表的な添加物
メチルパラベン
製品の質を安定させる優れた防腐剤として化粧品や食品などに長年使用されている添加物です。パラベンはアレルギーやシミ・しわの原因にもなるとして、旧表示指定成分とされています。
5種類あるパラベンの中でメチルパラベンは、最も低刺激で健康への悪影響も少ないといわれています。
フェノキシエタノール
パラベンに代わる防腐剤としてよく使われています。自然界に存在する成分として、イメージが良い印象ですが、肌への刺激はパラベンと同程度という報告もありますので、肌が敏感な人は注意した方が無難でしょう。
サリチル酸
天然由来の成分で、防腐剤や、角質溶解効果やピーリング効果、殺菌効果を期待して使用されます。効果が高いぶん肌への刺激も強いという側面があります。
特に日本人の肌には、色素沈着などの副作用が出る場合があるので、高濃度の製品には注意が必要です。また、旧表示指定成分の一つでアレルギーや発がん性の報告があります。
赤202
古くから口紅やリップブロスなどに使用されてきた赤色の着色料です。発がん性や黒皮症などの健康被害の報告がある旧表示指定成分にも含まれる石油由来タール系色素のひとつです。
また、メラニンを肌に定着・沈着する作用があり紫外線による肌へのダメージも懸念されています。不純物が多い粗悪なものだと、アレルギー性の接触性口唇炎症の報告が非常に多くあります。
オキシベンゾン
紫外線吸収剤として多くの化粧品に配合されています。配合量が多くなると、肌や健康への悪影響が懸念されるとして旧表示指定成分の一つです。
昔から、口から摂取すると、吐き気や痙攣、最悪の場合は死に至る毒性を持っていることは知られていました。最近になり、経皮毒性や発がん性、環境ホルモンとしてのリスクの可能性が出てきたとされています。
また、長期間の使用で肌の奥へと浸透し、肌細胞を傷つける可能性があります。
化粧品とキャリーオーバーについて
全成分表示が義務づけられたといっても、私たちが化粧品に含まれるリスクをすべて把握するのは非常に困難です。その理由の一つが「キャリーオーバー」という仕組みです。
例えば、化粧品の原料を作る段階で何らかの添加物を使用されると、その添加物が製品へと「持ち越し=キャリーオーバー」されている可能性が多いにあります。
しかし、化粧品の成分表示には直接の原料のみが表示され、原料に添加物が含まれていても、表示されることはないので、私たちは知らないうちに添加物を使用しているということになります。
キャリーオーバーを避けるには、製品からかなりさかのぼっての管理が必要で、膨大な手間と労力がかかってしまいます。
中には、海外の認証機関で完全なオーガニック栽培であるという認定を受けた原料を使用している化粧品もありますので、そういう化粧品を選んで使うのも一つの方法です。
まとめ
添加物は化粧品を長持ちさせたり、成分を安定化させたりする役割があり、一概に悪いものではありません。しかし、肌が強い人もいれば、弱い人もいるので、どんな肌に対しても全く影響がないとは言い切れないのが現状です。
添加物についての知識があれば、自分に合う化粧品を見つける助けになります。また、危険な化粧品を使ってしまうリスクも回避できます。肌が弱い、合う化粧品が見つけられないと感じている人は、添加物のチェックをする癖をつけましょう。